2021-01-06 前夜 詩 テレビを流れるニュースは言う この街は、明日から緊急事態なのだとか 逆に言えば、今はそうではないのだとか いくつもの夜がそうであったように この夜だって僕たちを僕たちのまま 明日へ運んでくれるはずなのに 0時を境に何が変わってしまうというのか まるで賞味期限の切れるミルクを 前にしているような夜だ だけどそんなことは知らぬ顔で 明日はやってくるのだろう それがお前の強さだと知りながら この夜の越え方を僕はわからないでいる 目を離してしまえば その隙に何かが決定的に変わってしまいそうで 胸にミルクを抱えたまま いつまでも眠れずにいるのだ